鳳明館で端午の節句を飾っている館が森川別館。地域(旧森川町)由来のご利益が期待できるわけについてご紹介。
本多忠勝と鎧兜飾り・菖蒲幟
本多忠勝は、昨年の大河ドラマで知名度が上がったように、徳川四天王・三傑、
生涯57戦 無傷 のスーパーヒーロー。この名将を始祖とする本多家江戸屋敷があった所に建っているのが森川別館。本多家は幕府から拝領したのではなく、四代本多政勝が黒田勘解由より買収したので、明治以降も昭和まで本多家森川別邸でした。森川別館は本多家より購入した土地に建築した正真正銘 本田忠勝ゆかりの館。だからこそ鎧兜飾りにこめられる身を守るためのお守り、力強い成長の願い、また菖蒲(尚武)幟にかかる勝負運に対して、本田忠勝のご加護による更なるご利益が期待できると思うわけです。
落第横丁と鍾馗様
端午の節句のお飾りは鳳明館に代々伝わっていると思われがちですが、鍾馗様の幟は鎧兜や菖蒲幟と一緒に、6年前に落第横丁通りにお住まいの着付けの先生よりの借り物。私が鳳明館に入りたての頃、短期間で着物を着られるようにしてくださった先生が、端午の節句を鳳明館のお客様に楽しんでほしいと無期限で貸してくださいました。
鍾馗様は道教系の神様。唐の玄宗皇帝がマラリアに伏した時、夢に現れた鍾馗と名乗る大男が小鬼を退治、目覚めると回復していたことから魔除けのご利益がある神様として祀られています。また難しい官吏の試験に合格するほど聡明だったので学業成就の効があるとされています。
では何故、一見 芳しくない”落第“という名前がつく”落第横丁通り“からやってきた鍾馗様の学業成就のご利益を高めていると信じているのか? それは 先代台町別館の女将が 落第横丁の飲食店から出前を取った時にお客様から ”なんで落第横丁なんて縁起の悪いところから出前を取るんだ!“とクレームがあった時に返した一言に集約されています。”東京大学に合格した学生じゃないと落第はできませんよ。落第横丁の飲食店に通っているのは東大生です。“ 東京大学の受験生を長年受け入れ、合格を願って受験生の宿泊に細かな心遣いをしてきた先代女将だからこその一言。落第横丁からお越しになった鳳明館の鍾馗様、学業成就のご利益は並大抵ではないはずです。
画像:ブログ ”チャリカフェ””より引用
鳳明館の端午の節句飾りのご紹介にあたり、本多家の江戸屋敷だった歴史と落第横丁通りという学生街の歴史がご利益という点で繋がっていることに気がついた次第。このご利益に気が付かせてくださったのは、ご近所の着付けの先生のご厚意があったからこそ。地元由来のバックアップがあるご利益、これが鳳明館の端午の節句お飾りです。
クイズ3:鳳明館の鎧兜飾りには「顔」を護るための防具がありません。何故でしょう?
※正解されたお客様には 稀少価値の高い粗品を進呈中
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